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キャンピングカーで放浪の旅

 写真で探訪

早池峰山の後、太平洋岸に出る予定だった。
岩手山と、八幡平に登ったので、秋田県に来てしまった。
小坂町に古い芝居小屋があるので、見ることにした。

秋田県の北部、海から離れた山の中に、昔、大きな鉱山があった。 名前は、小坂鉱山。
マタギの里と呼ばれていいくらいの、山奥だ。
位置は、大館市の東で、鹿角市の北。 十和田湖が近い。   場所はここ。 

そこに、2つの大きな建物が残されていた。 芝居小屋と、鉱山事務所。
康楽館は、ほとんど昔のまま。 
鉱山事務所は、使える材料を使って復元した。 伝建地区の建物の復元と同じ。
そのため、2つとも、国の重要文化財に指定された。

芝居小屋は、楽しむために作った。 鉱山事務所は、もうけたから作った。
でも、どうしてここまでの立派なものを、当時作ったのか、その辺りは分からない。 
知りたい部分でしょうか。

これが、芝居小屋、康楽館。 明治43年にできた。

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道にある、のぼり。

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外から見たら、洋風の感じ。 そこに、提灯と暖簾(のれん)。  不思議と、ミスマッチには見えない。

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今は、真ん中のが公演中だが、今日はお休み。 ※ 休みは、月に2回程しかないのに。

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だから今日は、お客さんが少ない。 事務所の人が、ていねいに案内してくれた。

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広い。 600人、入れるそう。 こんな芝居小屋は、九州の山鹿にもあった。
説明してくれた人は、そのことを知っていた。
   ※ 紋別の海鳴りの芝居を、こんな所で見たいなと思った。   ※ 関連ブログ 江戸人情芝居は、面白いぞ

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左の写真は、切穴。 ここから人が上がってくる。

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右は、切り穴の下。 人の力で動かす。 この方が、きっと事故は少ない。 この方が説明を。

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回り舞台。 ここは、地下。

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このように、4人で動かす。 顔の表情まで作ってくれた。 役者だ。

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当時、コンクリートの材料は輸入したそう。 これは、当時の。

10年7月29日 (10)

地下の通路や上の場所は、奈落と言われたそう。
暗くて深いから、そう言われた。
ただ、一説には、華やかな演劇舞台の陰に嫉妬や怨念が潜んでおり、この地下で事故が起きることもあるから、そう言われることがあるそうだ。
※ どうして私でなく、あの人が主役なのさ、という嫉妬はありそうだ。

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舞台へ。

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たくさんの人の前で演じると言うのは、どんな気分なんでしょう。

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右の写真は、楽屋。 ここで、化粧や着替えをする。

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壁一面、落書き。

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今となっては、貴重なものだそう。 昭和37年ったら、東京オリンピックの2年前。
この時、東野英次郎 54歳。 平幹二郎 28歳。  他にも、知ってる名前は、ありますね。

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わらび座も来ている。 わらび座の拠点は、秋田県の田沢湖の近くにある。
鶴姫を演じた碓井涼子さんは、今、ミュージカル「アトム」に「マリア」役で出演している。
この人は、天草四郎と鶴姫を演じ、一気にわらび座の看板女優になった。  ※ 関連ブログ 「鶴姫伝説」~瀬戸内のジャンヌダルク~
チャンスがあったら、また見たいと思う。
それから、坊ちゃん劇場は、わらび座の劇場だった。 知らなかった。

10年7月29日 (19)

戦前の一時期、警察官が、ここで舞台の内容を検閲した。

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舞台の後、顔に紙をあてて、化粧をうつしたものですね。

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平成10年に来ている。  中村獅童の名前がある。 26歳の時。
勘亭流というこの書体は、黒い部分が多い。 客席が、客で埋まるようにとの願いがあるそう。

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さっきの方が、最後まで丁寧に説明してくれた。
明日見においでと言って、割引券をくれた。

駐車場をはさんで、小坂鉱山事務所があった。

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玄関上のテラスから撮影。

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テラス。

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屋根は、こういう板だった。

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らせん階段のある洋風建築。 明治38年に建てられた。 平成9年に、この場所に移築復元した。

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康楽館の客席の写真があった。 よそ見している人は、いない。

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この人によって、銀の生産日本一の鉱山になる。
長州藩の出身で、高杉晋作のもとで、騎兵隊だった。 この当時の人脈が、後の商売に生きた。
藤田観光の創始者。

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上の、藤田伝三郎の兄の子。 銀山から、日本一の銅山の基礎を築いた。 この人も、萩で生まれている。
なお、先日亡くなったシャンソン歌手の石井好子は、この人の孫。    1曲紹介  夕映えの二人(別れの朝)(YouTube)

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こんな部屋も。

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中庭は、2階にあった。

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変わった雰囲気の、列車の中。

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窓の外は、小坂の町。

10年7月29日 (40)

大館市から小坂町まで、昨年まで小坂線が走っていた。
長い列車の旅をしてきて、小坂に着いたら、そとは都会のように明るかった。

この人は、精錬の技術を伝えた。

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明治末期の小坂鉱山。

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小坂は、余りにも、東京や大阪から遠かった。
こんな遠くの、文明から遠ざかった山奥に、誰も来たがらなかった。

そこで、会社は、康楽館をつくったり、ダムでの発電所を作った。
働く人が楽しめるように、いい生活が出来るように考えた。

鉱山の発展に欠かせないのが、技術者や指導者。
その人達が安心して仕事をするために作ったのが、鉱山事務所。

小坂町は、産業遺産として残された、この2つの建物を生かして、今、町の発展に取り組んでいる。
※ 近くには、十和田湖も。

鉱山によって、自然は傷んだ。
でも、今、小坂町は緑に囲まれている。
300万本と言われる数の、アカシアの木を植えた。
アカシアは、あらゆる土地環境・気候条件にも負けない木だった

康楽館と鉱山事務所の横に、アカシア並木の広い道がある。 
この道は、「かおり風景100選」に選ばれるまでになった。

鉱山は、負の遺産になりやすい。
しかし、小坂町は、そうはしなかった。
鉱山会社が、地域にたいして優しかったことが、遠くの要因としてあるのかなと思った。


【停泊場所】      康楽館の駐車場。

【明日の予定】     芝居と踊りを見ます。 芝居の写真は、撮れない。 

【今日の歌】      赤いハンカチ(YouTube)


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コメント

小坂町とアカシア

小坂町は十和田湖の近くなんですね。もう眼の前は青森。北へ北へときましたね。康楽館は鉱山の贈りもの。
娯楽施設だったんですね。そして100年も持ち、現役の演劇場。熊本県山鹿市にも「八千代座」があります。山鹿観光のシンボルです。飯塚市にもあります。「嘉穂劇場」。これも炭坑時代の名残です。
 小坂鉱山事務所は、すごいですね。そんな田舎町に、超立派な洋風建物が残っていたんですね。すごい文化財。機能ばかりでなく、装飾がまたすばらしい。当時の藤田組の熱意が感じられます。命がけで作ったのでしょう。先の康楽館も鉱山が作っているようですね。藤田組は、従業員の福利厚生を考えていたのでしょう。
 炭坑の町で、近代三井発祥の地ー大牟田には三井は何も残していません。残したのは、公害だけ。だから100年経っても、炭坑の財産が生きてこないし、復活の見通しもない。23万人の人口が現在13万人です。昔の面影は全くなし。昔の宝もない。飯塚は数年前、炭坑王の屋敷・伊藤伝右衛門邸を買い取り、観光資源の核にしました。
昔の宝が生きてきたのです。このように、100年後何かが復活すれば、その町も潤うのですが。小坂町も昔の宝が生きて来て、町が潤っているようですね。何事も繰り返す町は強い。昔の宝を生かしきる所は強い。
 小坂町はアカシアの花もきれいだそうですね。アカシアに憧れています。この言葉の音がいい。品がありそう。北海道にもアカシアの町がありますね。

Re: 小坂町とアカシア

康楽館と鉱山事務所の2つがあることが不思議でした。
こんな山の中に。
それで、寄ってみました。

鉱山会社が、その町で、儲けるだけ儲けて、公害を残して去って行ったら、それはひどいことです。
小坂鉱山は、そうではなかった。

小坂町は、2つとも買いとって、町の経営にしたんですね。
決断は、いい方向に進んでいるようです。

アカシアは、どんな香りがするのでしょうね。
アカシアのはちみつは、人気がありますよ。

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Author:akkamui21
ユーロスターで放浪の一人旅に出た、オジさんのブログ。
昨年春オホーツクを出発し、日本を2度往復。この秋に南下を始めたら、3度目に入る。

akkamui(アッカムイ)は、エゾモモンガのこと。子供の守り神の意味です。
ブログには、写真をいっぱい載せています。
よろしく。

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