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熊を見るには、船に乗るしかない、と思った。
10時出発の知床観光船。
冬は網走で航行している、流氷砕氷船オーロラ。
知床岬まで、往復3時間45分の予定。
岬の海岸は、どこもこんな断崖絶壁。
崖の高さは、100㍍以上。
海の中に20㍍、崖は入り込んでいるという。
白いのは鳥の糞。
真ん中の滝は、昨日見たフレぺの滝(乙女の涙)。
漁船だと思っていたが、写真で確認すると釣り船だった。
こっちは、カヌー。
この人達は、どうやってここに来たのか。
カヌーで、知床半島を一周する人がいると聞く。
滝がいたるところにあった。
フレぺの滝のように、岩の割れ目から出ているのが多い。
こういう洞窟も所々に。アイヌの人は黒い洞穴と呼んでいたそう。
この谷が一番大きい。
こういう谷自体、何カ所もない。
車で知床五湖に向かい途中、急な坂を下って、また登る。
それが、この場所。 地図では、ここ。
カヌーの人達は、ここから来たと思う。
次第にうねりが大きくなってきた。
漁船が、うねりの低い所に入ると、このように見える。
カムイワッカの湯の滝の水は、ここに流れ落ちる。
ここでは、温かくない。 地図では、ここ。
海の色が黄色くなっている。
硫黄が混ざっているからと、船からの説明があった。
定置網が所々にあるため、船は岸に近づいたり離れたりする。
遠くなったら、写真も大変。 船も揺れるし、自分も揺れる。
今日は写真を撮りながら、人間の目は、すごい性能だと感じた。
顔を動かそうが、船が揺れようが、見えてる物は揺れない。
手振れでなく、頭振れ防止が付いているのかなと思った。
番屋が見えた。 漁の時期、ここで寝泊まりする。
まもなく、サケ漁が始まる。 その時期になると熊も寄ってくる。
「石狩挽歌」の歌詞に、「番屋の隅で、私は夜通し飯を炊く」というのがあった。
昔は、娘ざかりの頃、こういう所で過ごした人もいたんでしょうね。
青空が見えてきた。
海の色は、オホーツクブルーでいいでしょうか。
重たい感じがする。
この海に、間もなくサケの大群がやって来る。
※ サケの第1号は、7月にやって来ている。(標津では、7月3日に)
熊は、なかなか見えない。双眼鏡でも探した。
船の人に聞いた。
この1週間で、熊が現れたのは、4~5回だという。
1日5便だから、35便でこの数。
今は、山にエサがあるため、下りて来るのが少ないという。
サケが来たら、多くなるそうだ。
ここも番屋。
小型のクルーザーが来た。
岬の先端、知床岬に向かっている。
すごいスピードだ。
乗ってる人は酔わないのかなと思った。
全員、ライフジャケットを身に付けていた。
細い糸のような滝が、時々ある。
風が強いときは、水は風に散らされて、下まで届かないという。
知床岬が見えてきた。あと、15分か20分だ。
ここで放送が入った。
波が大きくなってきて危険なので、引き返すという。
(※ 料金の払い戻しはある)
ざんねん。
うねりは、小さな漁船が波に隠れる大きさになっていた。
肉眼でも写真でも、たいしたことは無いように見えたんだが。
波は、何十回かに1回、大きいのが来る。
波に対して垂直だったら、ひっくり返ることはないが、横波には強くない。
用心したのかな。
昔根室にいたとき、漁船で釣りに出た。30人くらいで釣れる大きい船。
釣り始めたら、波が出てきた。
引き返すことにした。
船は、波に向かって停めていた。
戻るには、向きを180度変えなければならない。
このときの、操縦士の用心深さはすごかった。
時間をかけて、波の状態を読んだ。
大きい波が、どういうリズム(順番)で来るかを。
そうして、チャンスと言うときに、一気に船の向きを変えた。
後は、波を切るように港に戻った。
知床岬を後に、引き返した。
船が岸から離れたとき、肉眼では熊の確認が出来ない。
それで、熊がいるかも知れない岸辺の写真は全部撮った。
後で、写真を拡大して確認したが、いなかった。
※もし、船がひっくり返って人が海に沈んだら、真っ先に寄って来るのは、タコやカニだという。
昔の話しだが、根室で遭難事故があった。その数日後、タコが水揚げされた。その中のタコの1匹の吸盤の円い中に、人間の髪の毛が丸まって入っていた。それを聞いた誰もが、しばらくの間タコは食べなかった。
船が揺れたから、たくさんの人が船酔いした。
何人ももどした。船員が具合悪い人がいないか、見回りしていた。
写真の椅子に座っている人達は、こうやってずっと寝ていた。
知床には、熊を見るのを楽しみに来たが、ダメでした。
【今日の道の駅】 しゃり 場所はここ。
【明日の予定】 どこかの湿原を見ます。
《今日の歌》 歌でなく映像。 クマに追われる釣り人(YouTube) この動画は、結構知られています。 最初見づらい。後半少しいいかな。
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